令和3年前期実技試験の造形対策として、これまでの過去問より出題傾向を分析します。



過去問のテーマの77%が日常のワンシーン

過去問はエンゼルカレッジさんのホームページに平成18年から令和2年後期までの問題が載っています。 
22回の試験のテーマを確認しますと、イベントやイベントの練習は5回で、17回は日常のワンシーンでした。
特別なイベントである可能性は低く、日々の保育の中のワンシーンである可能性が非常に高いです。


過去問のテーマの背景は約81%が保育室内

過去22回の問題のテーマの背景は、保育室内13回、園庭2回、敷地外2回、保育室か園庭か選べたものが2回、場所を指定されなかったのが3回です。
場所の指定がなかったり選べたりした5回分も保育室内にしたとして合わせると、保育室内を背景とした問題は約81%となります。
保育室内ということがわかるような背景を描けるように準備しておきたいですね。

一方、比較的最近では平成28年前期や令和元年前期で園庭を背景としたテーマが出題されています。
園庭らしい背景が描けるように、木、遊具、フェンスなどを念のため練習しておきたいです。


特別な道具は出てきません

令和元年後期では粘土遊びが出題されました。
しかし、これまでハサミやクレヨン、のりなど道具を使った製作は全く出題されていません。
よって、道具を使って何かを作るようなテーマは出題されにくいと考えられます。

これまで出題された「もの」は、折り紙(紙飛行機)、落ち葉、水たまり、空き箱、ダンボール、牛乳パックで作った保育士の手作りおもちゃ、です。
特別な道具やものではなく、自然や身の回りのものを使う遊びというものが出されやすいと考えられます。


楽しい活動であること

造形の問題は、平成25年試験から「事例」と「条件」に分かれるようになりました。

「事例」では、「誰がどこで何をしている」という具体的な例を示しています。
「条件」では、その事例を描く時に必要な事柄を4つ挙げられています。

「事例」ではほぼ毎回「楽しい」というような表現が含まれていることがポイントです。
ワクワクしている、楽しそうに〜している、楽しく遊んだ、楽しく練習した、楽しく食事をした、楽しみにしていた、などです。
どのようなテーマになっても、楽しさが伝わるようないきいきとした動きや明るい表情が描けるように練習しておくと良さそうですね。


生活がテーマになることもある

楽しい遊びだけでなく生活がテーマとなることもあり、過去には給食と昼寝の準備が出題されました。

毎日保育所で行なわれる生活習慣を考えると、「登園・降園の挨拶」「朝の会・帰りの会」「片づけ」「着替え」「排泄」「手洗い・うがい」「歯磨き」「掃除」などがありますね。
また、地震や火災、水害に対する「避難訓練」も定期的に保育所で行われています。

また、現在はコロナウイルス感染症がありますので、改めて「手洗い・うがい」の徹底が重要となっています。
石けんを使った手洗いや、口の中をゆすぐうがいと顔を上げたガラガラうがいの2種類のうがいを描いたりするなどの練習が必要です。


過去問と重ならないテーマであること

過去22回分の問題を確認したところ、同じテーマが2回以上出題されることはありませんでした。
よって、これまで出てきていないテーマが出題されると考えられます。

例えば、園庭での砂遊びはまだ出題がありません。
砂場で砂のプリンやケーキ、アイスクリームなどを作って、「どうぞ」「いただきます」のようなやりとりをしている様子などを練習しておきたいですね。
今回試験「保育の心理学」の事例問題では砂場での遊びが出ていますので、これをお題として練習しておくのも良いですね。


以上、造形の過去問分析でした。
当日まで何が出るかわからない試験ではありますが、まずは保育室内or園庭の構図を描けるように準備しておきたいですね。