今回より神奈川県平成31年「社会福祉」の解説に入ります。
神奈川県の問題解説をしながら、あわせて後期の試験対策をしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

問題はこちら




問1 ノーマライゼーション
次の文は、ノーマライゼーションに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A ノーマライゼーションは、デンマークの主に知的障害者の施設の改善運動から始まったものである。
B 国連が国際障害者年(1981年)及び国連障害者の10年の中で強調したこともあり、 国際的に浸透していった。
C ノーマライゼーションの日本語訳は、「平準化」とされた時期があった。
D 提唱者のバンク=ミケルセン(Bank-Mikkelsen, N.E.)は、当初から子どもや高齢者の施設においても施設改善運動を推し進めた。
(組み合わせ)
   ABCD
1○○○×
2○○×○
3○○××
4×○×○
5××○○

最近の社会福祉は1問目にノーマライゼーションが出題される傾向があります。
すでにこの問題は以下の記事で解説済みですので、こちらもご覧ください。


改めてポイントのみを紹介します。

ノーマライゼーションとは、障害がある人などを隔離するのではなく、障害がある人もない人も互いに支え合い、一緒に助け合って生活していきましょうということです。

ノーマライゼーションの理念は、デンマークの社会省担当官であったバンク=ミケルセンによって考案されました。
巨大な知的障害者施設の隔離された環境を問題視して、知的障害者の生活を一般市民と同じにすべきと考え、知的障害者が「あたりまえの」「普通の」生活を送る権利を持ち、その生活を支える社会を構築するという理念を考案しました。
ノーマライゼーションの理念は、当初は知的障害者施設に対する改善運動であったことをおさえます。

この理念がデンマークからスウェーデンに広がり、スウェーデンベンクト・ニリエは「ノーマライゼーションの8つの原理」を提唱しました。

その後、先進諸国に広がっていきます。


ノーマライゼーションが問われる際に出てくる国は「デンマーク」「スウェーデン」、また「北欧(諸国)」です。
令和2年後期試験では「北欧に起源をもつノーマライゼーション」として出題されています。
試験では、ノーマライゼーション発祥の地「デンマーク」、ノーマライゼーションの原理を体系化したベンクト・ニリエのいる「スウェーデン」、それらをまとめて「北欧諸国」として出題される場合があります。

「スカンジナビア諸国を発祥として」という表現で出ることもあるかもしれません。


次回は問2を確認します。