問12 相談援助における自立支援のあり方
次の文は、相談援助における自立支援のあり方に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。
1 自己決定や判断の能力に困難を持つ利用者(クライエント)が利用可能な制度の一つに、成年後見制度がある。
2 障害者の自立については、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」により「公的な福祉サービスを利用せず、誰の手助けも借りずに一人で生活できるようになること」と定義されている。
3 利用者(クライエント)の自己決定は全て尊重されなければならず、その結果、問題が生じたとしても、その責任は利用者(クライエント)に帰せられる。
4 援助の専門職が、利用者(クライエント)の意思を十分に理解し尊重したうえで、利用者(クライエント)とよく話し合って決定を下すことをパターナリズムという。
5 社会的養護は、自立とほぼ同じ意味の概念のひとつである。
1 自己決定や判断の能力に困難を持つ利用者(クライエント)が利用可能な制度の一つに、成年後見制度がある。
2 障害者の自立については、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」により「公的な福祉サービスを利用せず、誰の手助けも借りずに一人で生活できるようになること」と定義されている。
3 利用者(クライエント)の自己決定は全て尊重されなければならず、その結果、問題が生じたとしても、その責任は利用者(クライエント)に帰せられる。
4 援助の専門職が、利用者(クライエント)の意思を十分に理解し尊重したうえで、利用者(クライエント)とよく話し合って決定を下すことをパターナリズムという。
5 社会的養護は、自立とほぼ同じ意味の概念のひとつである。
この問題は素直に読むと適切な記述がすぐにわかりますね。
自信を持って選ぶために、他の4つの選択肢については誤りを見つけたいです。
では、一つずつ見ていきます。
1 自己決定や判断の能力に困難を持つ利用者(クライエント)が利用可能な制度の一つに、成年後見制度がある。
→〇
成年後見制度とは、 認知症や知的障害、精神障害などによって判断能力が低下してしまった人に対して、その人をサポートする人を家庭裁判所から選任してもらう制度です。
法定後見制度と任意後見制度があることが、令和3年前期に出題されていましたね。
2 障害者の自立については、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」により「公的な福祉サービスを利用せず、誰の手助けも借りずに一人で生活できるようになること」と定義されている。
→×
このような定義はありえないとわかりますね。
社会福祉の学習では、支援を必要な人に対してどのような援助があるのかということを学んできました。
自立の概念を確認します。
■自立とは
「他の援助を受けずに自分の力で身を立てること」の意味であるが、福祉分野では、人権意識の高まりやノーマライゼーションの思想の普及を背景として、「自己決定に基づいて主体的な生活を営むこと」、「障害を持っていてもその能力を活用して社会活動に参加すること」の意味(自立の概念等について(厚生労働省)
■自立支援とは
本人が自らの生活を自らの責任で営むことを基本としつつ、それだけでは生活が維持できない場合に必要な援助を行うという考え方(自立の概念等について(厚生労働省))
3 利用者(クライエント)の自己決定は全て尊重されなければならず、その結果、問題が生じたとしても、その責任は利用者(クライエント)に帰せられる。
→×
全て尊重、問題が生じたとしてもその責任は利用者に帰せられる、が誤りですね。
「自己決定」はバイステックの7原則の一つですね。
クライエントの自己決定は尊重されなければならず、クライエント自身が問題の結論を導き出せるようにしていくことが求められます。
4 援助の専門職が、利用者(クライエント)の意思を十分に理解し尊重したうえで、利用者(クライエント)とよく話し合って決定を下すことをパターナリズムという。
→×
パターナリズムとは、強い立場にある者が弱い立場にある者に対して、本人のためだとして本人の意志は問わずに介入や干渉をすることです。
例えば子どもの進路を親が勝手に決めるなどがあります。
5 社会的養護は、自立とほぼ同じ意味の概念のひとつである。
→×
社会的養護とは「保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこと」ですので、自立と同じ意味ではありません。
社会的養護とは「保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこと」ですので、自立と同じ意味ではありません。
次回は問13を確認します。
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