神奈川県平成30年「社会福祉」の解説をしています。
今回は問7です。

問題はこちら




問7 福祉行政を担う行政機関
次の文は、福祉行政を担う行政機関についての記述である。誤ったものを一つ選びなさい。

1 社会福祉に関する国の行政機関の中心は厚生労働省であり、社会保障審議会は厚生労働大臣の諮問機関として設置されている。
2 児童相談所は、都道府県の他、政令指定都市、中核市、人口10万人以上の市に設置しなければならない。
3 福祉事務所は、「社会福祉法」により都道府県及び市については設置が義務付けられているが、町村は任意設置である。
4 婦人相談所は、都道府県に設置義務がある。
5 知的障害者更生相談所は、知的障害者に関する相談に応じ、18歳以上の知的障害者の医学的、心理学的及び職能的判定を行う。

設置に関しては混乱しやすいところではありますが、1つ1つ丁寧に覚えていくしかありません。
答えられなかったところは自分の弱点と考えてこの機会に覚えたいですね。

1つずつみていきます。

1 社会福祉に関する国の行政機関の中心は厚生労働省であり、社会保障審議会は厚生労働大臣の諮問機関として設置されている。

→〇
厚生労働省の政策の一つに社会福祉が含まれます。
保育士試験「社会福祉」の科目に出題される資料もほとんど厚生労働省のものですね。

そして社会保障審議会とは「厚生労働省設置法」という法律に基づき置かれています。
第7条では、社会保障審議会は厚生労働大臣の諮問に応じて社会保障に関する重要事項を調査審議することを定めています。



2 児童相談所は、都道府県の他、政令指定都市、中核市、人口10万人以上の市に設置しなければならない。

→×
「子ども家庭福祉」「社会的養護」にも出題されるような問題ですね。
児童相談所は、都道府県と政令指定都市に設置義務があり、設置を希望する市と特別区(東京23区)は認められれば設置することも可能です。
全国児童相談所一覧によると、令和3年4月1日現在では225か所設置されています。



3 福祉事務所は、「社会福祉法」により都道府県及び市については設置が義務付けられているが、町村は任意設置である。


→◯
「社会福祉法」第14条では次のように定めています。
第1項「都道府県及び市(特別区を含む。以下同じ。)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならない。」
第3項「町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができる。」


4 婦人相談所は、都道府県に設置義務がある。


→◯
婦人相談所といえば「売春防止法」ですね。
「売春防止法」第34条では「都道府県は、婦人相談所を設置しなければならない。」としています。



5 知的障害者更生相談所は、知的障害者に関する相談に応じ、18歳以上の知的障害者の医学的、心理学的及び職能的判定を行う。

→◯
18歳以上の知的障害者の判定は知的障害者更生相談所が行います。(※18歳未満の判定は児童相談所)
知的障害者更生相談所については「知的障害者福祉法」第12条に定められており、都道府県に設置義務があることもおさえます。


次回は問8を確認します。