神奈川県平成30年「社会福祉」の解説をしています。
今回は問8です。

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問8 社会福祉事業と根拠法 
次の組み合わせは、社会福祉事業について、根拠法に基づいて第一種社会福祉事業と第二種社会福祉事業に分けたものである。正しいものを一つ選びなさい。

(組み合わせ)
  【根拠法】        【第一種社会福祉事業】【第二種社会福祉事業】
1 児童福祉法          児童養護施設    小規模住居型児童養育事業
2 生活保護法          救護施設      生計困難者に対する助葬
3 老人福祉法          特別養護老人ホーム 軽費老人ホーム
4 身体障害者福祉法         身体障害者福祉センター 障害者支援施設
5 母子及び父子並びに寡婦福祉法 婦人保護施設    隣保事業

社会福祉事業の根拠法と第一種、第二種の区別についての出題ですね。
第一種と第二種の区別は比較的覚えやすいところかなと思いますので、得意な方も多いのではないでしょうか。
ただ、あまり見慣れない事業(この問題であれば隣保事業)も混ざっていると全体が難しく感じてしまいます。
冷静になってわかるところを確実に答えたいです。

もし事業内容が明確に分からなくても、第二種社会福祉事業は基本的には通所施設や在宅のサービスと考えます。
つまり、入所か通所かというところで判断することができます。
ただ例外もあり、第二種社会福祉事業には児童自立生活援助事業 (自立援助ホーム)や小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)があります。
これらは通所ではなく入所する施設といえますが、第二種社会福祉事業であることを個別におさえます。

1つずつみていきます。


1 児童福祉法   児童養護施設    小規模住居型児童養育事業

→〇
これが正しい内容です。
児童養護施設と小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)は「児童福祉法」に規定されています。
児童養護施設を経営する事業が第一種社会福祉事業であることはよく出されています。
小規模住居型児童養育事業が第二種社会福祉事業であることは確実に覚えたいです。



2 生活保護法   救護施設      生計困難者に対する助葬

→×
生計困難者に対する助葬は第二種社会福祉事業ではなく第一種社会福祉事業です。


「社会福祉法」によると、「生活保護法」に規定する救護施設更生施設その他生計困難者を無料又は低額な料金で入所させて生活の扶助を行うことを目的とする施設を経営する事業及び生計困難者に対して助葬を行う事業を第一種社会福祉事業として定めています。


3 老人福祉法   特別養護老人ホーム   軽費老人ホーム

→×
軽費老人ホームを経営する事業は
第二種社会福祉事業ではなく第一種社会福祉事業です。
「社会福祉法」によると「老人福祉法」に規定する養護老人ホーム特別養護老人ホーム軽費老人ホームを経営する事業を第一種社会福祉事業として定めています。



4 身体障害者福祉法   身体障害者福祉センター 障害者支援施設

→×
身体障害者福祉センターを経営する事業は第一種社会福祉事業ではなく第二種社会福祉事業です。
※「身体障害者福祉法」を根拠とする社会福祉事業に第一種社会福祉事業はありません。

「社会福祉法」によると、「身体障害者福祉法」に規定する身体障害者生活訓練等事業、手話通訳事業、介助犬訓練事業、聴導犬訓練事業、身体障害者福祉センター、補装具製作施設、盲導犬訓練施設、視聴覚障害者情報提供施設を経営する事業、身体障害者の更生相談に応ずる事業を第二種社会福祉事業として定めています。

また、問題文の障害者支援施設は「障害者総合支援法」に定められており、障害者の施設入所やそれ以外の福祉サービスを行う施設です。
この障害者支援施設を経営する事業は「社会福祉法」に第一種社会福祉事業として位置づけられています。
入所施設であることから利用者への影響が大きいため、第一種社会福祉事業となります。


5 母子及び父子並びに寡婦福祉法 婦人保護施設  隣保事業

→×
根拠法が誤りです。
婦人保護施設とは「売春防止法」に定められた施設であり、婦人保護施設を経営する事業は第一種社会福祉事業です。
婦人保護施設の根拠法は何度も繰り返し出題されています。

そして隣保事業とは、隣保館などの施設を利用させて、地域住民の生活改善と向上を図る事業です。
「社会福祉法」によると「隣保館等の施設を設け、無料又は低額な料金でこれを利用させることその他その近隣地域における住民の生活の改善及び向上を図るための各種の事業を行うものをいう」として、第二種社会福祉事業として規定されています。


次回は問9を確認します。