令和3年後期試験の試験問題が公表されました。
続いて「社会的養護」を見ていきます。

問題構成はこのようになっており、数字は私が考えた答えです。
正式な答えではありませんのでご注意ください!
お気づきの点がありましたらコメントよろしくお願いいたします。

1

法律

「児童福祉法」第2条

4

問2

資料

「児童養護施設入所児童等調査」

4

3

養育指針

「里親及びファミリーホーム養育指針」


4

法律

「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」

3

5

法律

「児童虐待の防止等に関する法律」

5

6

ライフストーリーワーク

3

問7

職位配置

2

問8

第三者評価・自己評価

4

問9

事例

4

10

事例

3


今回は定番の「児童養護施設運営指針」「社会的養育の推進に向けて」からの出題がありませんでした。
「児童養護施設運営指針」はもう出題しつくした感じもあり、代わりに「里親及びファミリーホーム養育指針」が出題されていますね。

「児童福祉法」第2条、職員配置、第三者評価など、よく出るところが出たという印象です。
迷いやすい問題は、問2、6でしょうか。
問5は、親権者等による体罰の禁止の規定で、令和2年4月1日に施行された内容です。
事例問題も2つあり、教育原理と比べるととりやすい内容だったかなと感じます。



問1  「児童福祉法」第2条


「全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。
第2項 児童の保護者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を負う。
第3項 国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」

「児童福祉法」第2条は社会的養護と関連しているため特に出題されやすいですね。
最近では、令和元年後期、平成30年後期、令和2年神奈川県、令和3年神奈川県で出題されています。


問2 児童養護施設入所児童等調査(平成30年2月1日現在)」

児童養護施設入所児童等調査結果
1 ○児童養護施設入所児童のうち、被虐待経験のある子どもは6割を超える。(13ページ)65.6%です。
2 ○里親委託児童のうち、家族との交流がない子どもは7割を超える。(16ページ)70.3%です。
3 ○母子生活支援施設への入所理由では、「配偶者からの暴力」が最も多い。(21ページ)50.7%で最も多いです。
4 ×障害児入所施設入所児童の心身の状況において「広汎性発達障害」が最も多い。(45ページ)
広汎性発達障害ではなく、知的障害が最も多く、次いで広汎性発達障害、重度心身障害の順となっています。
5 ○自立援助ホームの入所児童等のうち、「LGBT」は1%程度である。(8ページ)1.3%です。

問3 里親及びファミリーホーム養育指針

里親及びファミリーホーム養育指針」5ページ「里親・ファミリーホームの理念」

・里親及びファミリーホームは、社会的養護を必要とする子どもを、養育者の家庭に迎え入れて養育する「家庭養護」である。
・また、社会的養護の担い手として、社会的な責任に基づいて提供される養育の場である。
・社会的養護の養育は、家庭内の養育者が単独で担えるものではなく、家庭外の協力者なくして成立し得ない。養育責任を社会的に共有して成り立つものである。また、家庭内における養育上の課題や問題を解決し或いは予防するためにも、養育者は協力者を活用し、養育のありかたをできるだけ「ひらく」必要がある。


問4  児童福祉施設の設備及び運営に関する基準

自立支援計画の策定は、社会的養護関係施設(乳児院、児童養護施設、母子生活支援施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設)です。
よって、答えは乳児院と児童心理治療施設です。

問5 「児童虐待の防止等に関する法律」第14条

児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、体罰を加えることその他民法第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲を超える行為により当該児童を懲戒してはならず、当該児童の親権の適切な行使に配慮しなければならない。


問6 ライフストーリーワーク

ライフストーリーワークとは、子どもが自分の生い立ちを理解するための支援であり、これまで関わってきた人や物などを写真や絵、文章でまとめるものです。
それによって、子ども自身が自分の人生を肯定的に受け止められるようにすることを目的としています。

児童福祉施設や児童相談所の職員、里親が行います。
選択肢4の児童心理司は、子どもや保護者等の相談に応じ、診断面接、心理検査、観察等によって心理診断を行ったり、心理療法やカウンセリング、助言指導等の指導を行う職員です。
ライフストーリーワークを実施する者という規定はありません。

里親及びファミリーホーム養育指針」では「ライフストーリーワークなど子どもの生きてきた歴史や子どもに寄せられて来た思いを綴り、写真や数値、できるようになったこと、かかわってくれた人・物などとともに記録としてまとめることも、子どもが、自らを「他者と違う固有の存在」「尊厳をもった大切な自分」であると気づき、自分を大切にし、誇りをもって成長するために有効である。」としています。


問7  職員配置

1 ×児童委員 ―――――――――福祉事務所→福祉事務所に配置されません。
2 ○児童福祉司 ―――――――― 児童相談所
3 ×個別対応職員 ――――――― 児童家庭支援センター→児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設、児童自立支援施設、母子生活支援施設です。
4 ×支援コーディネーター ――― 相談所の一時保護所→社会的養護自立支援事業において支援全体を統括するために配置されます。
5 ×里親支援専門相談員 ―――― 児童自立支援施設→里親支援を行う児童養護施設及び乳児院です。

問8 社会的養護関係施設における第三者、自己評価

社会的養護関係施設における第三者評価及び自己評価の実施についてからの出題です。

1 ×社会的養護関係施設は、第三者評価を5か年度毎に1回以上受審しなければならない。
3か年度です。
2 ×第三者評価は、各施設が独自に作成した基準を用いて実施される。
全国共通の第三者評価基準、また都道府県独自の第三者評価基準があります。
3 ×利用者調査は、任意での実施とされている。
「社会的養護関係施設については、利用者の意向を把握することの重要性にかんがみ、第三者評価と併せて利用者調査を必ず実施するものとする。」としています。
4 ○ファミリーホーム及び自立援助ホームの第三者評価の受審は努力義務とされている。
「児童福祉法施行規則」により、受審の努力義務が規定されています。
5 ×社会的養護関係施設は、第三者評価の受審年に限り、自己評価を行わなければならない。
「第三者評価基準の評価項目に沿って、毎年度、自己評価を行わなければならない。」としています。

問9 事例
児童養護施設運営指針では、「養育者は、子どもたちに誠実にかかわりコミュニケーションを持てない心情や理屈では割り切れない情動に寄り添い、時間をかけ、心ひらくまで待つこと、かかわっていくことを大切にする必要がある。分からないことは無理に分かろうと理論にあてはめて納得してしまうよりも、分からなさを大切にし、見つめ、かかわり、考え、思いやり、調べ、研究していくことで分かる部分を増やしていくようにする。その姿勢を持ち続けることが、気づきへの感性を磨くことになる。」としています。

A ×T君が無視しているのだからP保育士も無視するように指示する
B ×P保育士の対応に問題があると指摘する
C ○なぜ無視をするのか、その背景にあるものを共に考える。
D ○S児童指導員が、T君に無視する理由について何気なく聞いてみようかと提案する。

ABを×、Cを○とするとDは○しかありませんが、T君に無視する理由を直接聞くということが適切なことかよくわかりません。
「何気なく」という言葉がありますので、軽く探ってみようかというところで○なのでしょうか。

問10 事例

母子生活支援施設運営指針では、母親に対する支援として、「孤独感や自己否定からの回復のため、人は本来回復する力をもっているという視点(ストレングス視点)に基づいた支援を行い、母親のエンパワーメントへつなげることが必要である。」としています。
つまり、母親の自己肯定感を回復し高める支援が重要ということです。

1 ×MさんのLちゃんに対する対応は、虐待であるとの自覚を強く促す
2 ×母子の自立支援の観点から、Mさんの就労支援を優先する。
3 ○DV被害による自己否定からの回復のため、Mさんにエンパワメントの取り組みを行う。
4 ×Lちゃんを児童養護施設に措置する方向で児童相談所に連絡する。
5 ×退所に向けて生活費の管理を母子支援員が行う


以上、簡単ではありますが、社会的養護の問題を解説しました。