令和3年後期試験の問題を解説していきます。
今回はリクエストをいただいた「社会福祉」問17の解説です。
正答が発表されておらず、個人の考察となりますのでご了承くださいませ。

問題はこちら




問17 福祉サービスにおける苦情解決の仕組み
次の文のうち、福祉サービスにおける苦情解決の仕組みに関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 「児童福祉法」で定められている児童福祉施設では、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和 23 年厚生省令第 63 号)の中で、苦情を受け付けるための必要な措置を講じなければならないと定められている。
B 「介護保険法」で定められている養護老人ホームでは、「養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」(昭和 41 年厚生省令第 19 号)の中で、苦情を受け付けるための必要な措置を講じなければならないと定められている。
C 「社会福祉法」では、市町村の区域内において、運営適正化委員会を市町村社会福祉協議会に置くことが定められている。

(組み合わせ)
   A B C
1 ○ ○ ×
2 ○ × ○
3 ○ × ×
4 × ○ ×
5 × × ○

定番出題の1つである苦情解決です。
Aの「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第14条の3はよく出る基本条文ですから、これは確実に答えたいです。
Bの「養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」は見慣れない基準ですが、ここでは養護老人ホームの根拠法が「老人福祉法」とわかれば答えが出ます。
Cの運営適正化委員会はどこに設置するかはよく出る問題ですね。

一つずつ見ていきます。

A 「児童福祉法」で定められている児童福祉施設では、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和 23 年厚生省令第 63 号)の中で、苦情を受け付けるための必要な措置を講じなければならないと定められている。

→◯
まず、前半の「児童福祉法」で定められている児童福祉施設は正しいですね。
そして後半も正しい記述です。
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第14条の3では「児童福祉施設は、その行つた援助に関する入所している者又はその保護者等からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。」と定めています。

この条文は、最近では令和3年神奈川県試験(問12)でも出題されていましたね。
児童福祉施設は、その行った援助に関する入所している者又はその保護者等からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、施設外部に苦情を受け付けるためのセンターを設置しなければならない。→×

「施設外部に苦情を受け付けるためにセンター(略)」が誤りで、正しくは「苦情を受け付けるための窓口(略)」です。


B 「介護保険法」で定められている養護老人ホームでは、「養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」(昭和 41 年厚生省令第 19 号)の中で、苦情を受け付けるための必要な措置を講じなければならないと定められている。

→×
後半がわからなくても前半に誤りを見つけることができますね。
前半の
「介護保険法」で定められている養護老人ホームが誤りで、養護老人ホームは「老人福祉法」に規定されている施設です。
「老人福祉法」第20条の4が養護老人ホームの規定です。
また、後半の養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」の最初にも「老人福祉法第17条第1項の規定に基づき、養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を次のとおり定める。 」しています。

後半は正しい記述です。
この基準の第27条が苦情対応の規定であり、第27条第1項では「養護老人ホームは、その行つた処遇に関する入所者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。 」と定めています。
 


C 「社会福祉法」では、市町村の区域内において、運営適正化委員会を市町村社会福祉協議会に置くことが定められている。


→×
運営適正化委員会とは、都道府県社会福祉協議会に設置されている、公正・中立な第三者機関です。
「社会福祉法」第83条に規定されており、福祉サービスに関して利用者からの苦情を解決するために設置されます。

「社会福祉法」第83条
都道府県の区域内において、福祉サービス利用援助事業の適正な運営を確保するとともに、福祉サービスに関する利用者等からの苦情を適切に解決するため、都道府県社会福祉協議会に、人格が高潔であつて、社会福祉に関する識見を有し、かつ、社会福祉、法律又は医療に関し学識経験を有する者で構成される運営適正化委員会を置くものとする。 」

同じような問題として、平成30年前期試験では「(運営適正化委員会は)市町村社会福祉協議会に設置し、利用者等からの苦情を適切に解決する。」という問題も出題されています。


以上より、◯××で3番が答えと考えられます。

今回出題はありませんでしたが、苦情解決の問題は社会福祉事業の経営者による福祉サービスに関する苦情解決の仕組みの指針(平成29年改正)という苦情解決の体制について定めた指針からの出題も多いです。
苦情解決体制として、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員の設置を定めています。
苦情解決の問題対策としてはこちらの指針を必ず読んでおきたいですね。


次に「社会福祉」問13を解説します。