令和3年後期「社会福祉」の解説をしています。
今回は問5です。
今回出題された「児童福祉法」第18条の4は保育士の定義です。
平成13年「児童福祉法の一部を改正する法律」により、平成15年よりこの定義に変わりました。
背景としては、保育士資格が詐称されて社会的信用が損なわれている実態があったことや保育士の重要性が高まったことから、保育士資格は児童福祉施設の任用資格から名称独占資格に改められました。
では、「児童福祉法」第18条の4から第18条の24のうち、どの条文を特に覚えておくとよいかという視点で、関連過去問4つを紹介します。
1 ×第18条の22です。保育士でなくなった後においても同様です。
2 ×第18条の21です。保育に関する業務という限定はありません。
3 ×第18条の23です。業務独占ではなく名称独占であり、保育士以外のものも保育を行うことはできますが保育士とは名乗れません。
4 ×第18条の5第2号です。禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者は保育士になれません。
5 〇第18条の6と第18条の18です。
1 ×第18条の6です。
2 〇これが第18条の4ですね。
3 ×第18条の21です。
4 ×第18条の23です。
5 ×第18条の18です。
第18条の5は、保育士資格の欠格事由の規定であり、1~5にあてはまる場合は保育士となることができないとされています。
①心身の故障により保育士の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
②禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して2年を経過しない者
③この法律の規定その他児童の福祉に関する法律の規定であつて政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して2年を経過しない者
④第18条の19第1項第2号又は第2項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して2年を経過しない者
⑤国家戦略特別区域法(平成25年法律第107号)第12条の5第8項において準用する第18条の19第1項第2号又は第2項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して2年を経過しない者
まさに「児童福祉法」第18条の4の条文ですから〇ですね。
これらより、出題可能性が高いと考えられる条文は以下です。
第18条の4(保育士の定義)
第18条の5(保育士の欠格事由)
第18条の6(保育士資格)
第18条の18(保育士登録)
第18条の21(信用失墜行為の禁止)
第18条の22(秘密保持義務)
第18条の23(名称の使用制限)
次回は問6を確認します。
今回は問5です。
問5 「児童福祉法」第18条の4の一部
次の文は、「児童福祉法」第 18 条の4の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
この法律で保育士とは(中略)登録を受け、保育士の名称を用いて、( A )、児童の保育及び ( B )に対する( C )に関する指導を行うことを業とする者をいう。
【語群】
ア 子育て イ 社会的養護 ウ 専門職 エ 児童の保護者 オ 保育 カ 専門的知識及び技術をもつて
(組み合わせ)
A B C
1 ア ウ エ
2 ア ウ オ
3 ウ イ オ
4 カ イ オ
5 カ エ オ
この法律で保育士とは(中略)登録を受け、保育士の名称を用いて、( A )、児童の保育及び ( B )に対する( C )に関する指導を行うことを業とする者をいう。
【語群】
ア 子育て イ 社会的養護 ウ 専門職 エ 児童の保護者 オ 保育 カ 専門的知識及び技術をもつて
(組み合わせ)
A B C
1 ア ウ エ
2 ア ウ オ
3 ウ イ オ
4 カ イ オ
5 カ エ オ
「児童福祉法」第18条の4から第18条の24までが保育士の規定です。
ここから出題される条文はほとんど決まっており、実際にどの条文が出題されているか、関連過去問4つをこの記事の後半で紹介します。
やはり保育士試験ですから保育士について法律で何が定められているか、ということは興味を持ってしっかり読んでおきたいですね。ここから出題される条文はほとんど決まっており、実際にどの条文が出題されているか、関連過去問4つをこの記事の後半で紹介します。
今回出題された「児童福祉法」第18条の4は保育士の定義です。
平成13年「児童福祉法の一部を改正する法律」により、平成15年よりこの定義に変わりました。
背景としては、保育士資格が詐称されて社会的信用が損なわれている実態があったことや保育士の重要性が高まったことから、保育士資格は児童福祉施設の任用資格から名称独占資格に改められました。
「この法律で、保育士とは、第18条の18第1項の登録を受け、保育士の名称を用いて、(A)専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び(B)児童の保護者に対する(C)保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。」
これより答えは5です。
【考え方】
A ここは「保育所保育指針」でも以下のように同様の内容がありますから、見覚えがある内容だと思われます。
「保育所における保育士は、児童福祉法第18条の4の規定を踏まえ、保育所の役割及び機能が適切に発揮されるように、倫理観に裏付けられた専門的知識、技術及び判断をもって、子どもを保育するとともに、子どもの保護者に対する保育に関する指導を行うものであり、その職責を遂行するための専門性の向上に絶えず努めなければならない。」
「児童福祉法」の条文とは少し表現が違うので両方覚えておきたいですね。
BとC 「及び」は並べてあげる時に使いますので、ここでは「児童の保育」と「(B)に対する指導」が並んでいると考えますと児童の保護者に対する指導とわかりますね。
保育士は児童の保育を行うとともに、保護者に対する保育指導も行います。
保育指導とは、子育てに関する相談、助言、行動見本の提示その他の援助業務です。
これより答えは5です。
【考え方】
A ここは「保育所保育指針」でも以下のように同様の内容がありますから、見覚えがある内容だと思われます。
「保育所における保育士は、児童福祉法第18条の4の規定を踏まえ、保育所の役割及び機能が適切に発揮されるように、倫理観に裏付けられた専門的知識、技術及び判断をもって、子どもを保育するとともに、子どもの保護者に対する保育に関する指導を行うものであり、その職責を遂行するための専門性の向上に絶えず努めなければならない。」
「児童福祉法」の条文とは少し表現が違うので両方覚えておきたいですね。
BとC 「及び」は並べてあげる時に使いますので、ここでは「児童の保育」と「(B)に対する指導」が並んでいると考えますと児童の保護者に対する指導とわかりますね。
保育士は児童の保育を行うとともに、保護者に対する保育指導も行います。
保育指導とは、子育てに関する相談、助言、行動見本の提示その他の援助業務です。
では、「児童福祉法」第18条の4から第18条の24のうち、どの条文を特に覚えておくとよいかという視点で、関連過去問4つを紹介します。
平成23年「社会福祉」問10
次の文は、保育士資格に関する記述である。正しいものを一つ選びなさい。
1 保育士でなくなった後は、有資格者であった時の業務に関して知り得た秘密について 守秘義務はなくなる。
2 保育に関する業務以外のことでの信用失墜行為であれば、信用失墜行為の禁止に違反せず処分はない。
3 保育士資格は業務独占であるため、保育士でない者は保育を行うことはできない。
4 禁固以上の刑に処せられた場合、刑を終えてからの期間に関わりなく保育士になることはできない
5保育士試験受験者は、保育士試験に合格し、都道府県の保育士登録簿に登録して保育士になることができる。
1 保育士でなくなった後は、有資格者であった時の業務に関して知り得た秘密について 守秘義務はなくなる。
2 保育に関する業務以外のことでの信用失墜行為であれば、信用失墜行為の禁止に違反せず処分はない。
3 保育士資格は業務独占であるため、保育士でない者は保育を行うことはできない。
4 禁固以上の刑に処せられた場合、刑を終えてからの期間に関わりなく保育士になることはできない
5保育士試験受験者は、保育士試験に合格し、都道府県の保育士登録簿に登録して保育士になることができる。
1 ×第18条の22です。保育士でなくなった後においても同様です。
2 ×第18条の21です。保育に関する業務という限定はありません。
3 ×第18条の23です。業務独占ではなく名称独占であり、保育士以外のものも保育を行うことはできますが保育士とは名乗れません。
4 ×第18条の5第2号です。禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者は保育士になれません。
5 〇第18条の6と第18条の18です。
平成26年「保育原理」問8
保育所における保育士は、「児童福祉法」第18 条の4の規定を踏まえ、保育所の役割及び機能が適切に発揮されるように、倫理観に裏付けられた専門的知識、技術及び判断をもって、子どもを保育するとともに、子どもの保護者に対する保育に関する指導を行うものである。次の文のうち、「児童福祉法」第18 条の4の記述として正しいものを一つ選びなさい。
1 次の各号のいずれかに該当する者は、保育士となる資格を有する。
一 厚生労働大臣の指定する保育士を養成する学校その他の施設(以下「指定保育士養成施設」という。)を卒業した者
二 保育士試験に合格した者
2 この法律で、保育士とは、第18 条の18 第1項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。
3 保育士は、保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。
4 保育士でない者は、保育士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。
5 保育士となる資格を有する者が保育士となるには、保育士登録簿に、氏名、生年月日その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。
1 次の各号のいずれかに該当する者は、保育士となる資格を有する。
一 厚生労働大臣の指定する保育士を養成する学校その他の施設(以下「指定保育士養成施設」という。)を卒業した者
二 保育士試験に合格した者
2 この法律で、保育士とは、第18 条の18 第1項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。
3 保育士は、保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。
4 保育士でない者は、保育士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。
5 保育士となる資格を有する者が保育士となるには、保育士登録簿に、氏名、生年月日その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。
1 ×第18条の6です。
2 〇これが第18条の4ですね。
3 ×第18条の21です。
4 ×第18条の23です。
5 ×第18条の18です。
平成27年「保育原理」問16
次の文は、「児童福祉法」における保育士に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。
1 保育士となる資格を有する者が保育士となるには、保育士登録簿に、氏名、生年月日その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。
2 罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して3年を経過しない者は保育士となることができない。
3 保育士は、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行う。
4 保育士でない者は、保育士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。
5 保育士は、保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。
1 保育士となる資格を有する者が保育士となるには、保育士登録簿に、氏名、生年月日その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。
2 罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して3年を経過しない者は保育士となることができない。
3 保育士は、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行う。
4 保育士でない者は、保育士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。
5 保育士は、保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。
1〇第18条の18です。
2×(これが答え)第18条の5第3号です。3年ではなく2年ですね。
「この法律の規定その他児童の福祉に関する法律の規定であつて政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して2年を経過しない者」
3〇第18条の4です。
4〇第18条の23です。
5〇第18条の21です。
2×(これが答え)第18条の5第3号です。3年ではなく2年ですね。
「この法律の規定その他児童の福祉に関する法律の規定であつて政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して2年を経過しない者」
3〇第18条の4です。
4〇第18条の23です。
5〇第18条の21です。
第18条の5は、保育士資格の欠格事由の規定であり、1~5にあてはまる場合は保育士となることができないとされています。
①心身の故障により保育士の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
②禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して2年を経過しない者
③この法律の規定その他児童の福祉に関する法律の規定であつて政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して2年を経過しない者
④第18条の19第1項第2号又は第2項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して2年を経過しない者
⑤国家戦略特別区域法(平成25年法律第107号)第12条の5第8項において準用する第18条の19第1項第2号又は第2項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して2年を経過しない者
平成30年後期「社会福祉」問11
次の文のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 「児童福祉法」によると、保育士は、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行う者である。(BCD省略)
A 「児童福祉法」によると、保育士は、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行う者である。(BCD省略)
これらより、出題可能性が高いと考えられる条文は以下です。
第18条の4(保育士の定義)
第18条の5(保育士の欠格事由)
第18条の6(保育士資格)
第18条の18(保育士登録)
第18条の21(信用失墜行為の禁止)
第18条の22(秘密保持義務)
次回は問6を確認します。
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