令和4年前期「社会福祉」の解説を行います。
今回は問10です。

問題はこちら




問10 介護保険制度
次のうち、介護保険制度に関する記述として、適切な記述を一つ選びなさい。

1 要介護認定・要支援認定は、都道府県が行う。
2 第2号被保険者とは、市町村の区域内に住所を有する 65 歳以上の者である。
3 要介護認定・要支援認定には、有効期間がある。
4 介護認定審査会には、民生委員の参加が規定されている。
5 保険者は国である。

介護保険制度の問題です。
こちらは平成28年前期「社会福祉」問10(解説記事)とほぼ同じ問題でした。
要介護認定・要支援認定には有効期間がありますから、答えは3です。

介護保険制度に関した過去の問題は、こちらにまとめています。


この記事では、過去の問題から出題ポイントが5つあることを紹介しました。

サービス利用の利用者負担
利用者負担は原則1割で、所得により2割、3割となります。
保険者
保険者(保険料を徴収し、サービスの給付を行う者)は市町村と特別区(東京23区)です。
被保険者
被保険者は第1号(65歳以上)と第2号(40歳以上65歳未満の健保組合、全国健康保険協会、市町村国保などの医療保険加入者)に分けられます。
要介護認定
要介護認定を行うのは市町村・特別区であり、また要介護認定の新規の有効期間は原則6か月です。
要介護と認定されるために審査や判定を行う機関が介護認定審査会であり、委員は保健、医療、福祉に関する学識経験のある者で、市町村長、区長が任命します。
介護保険の財源
介護保険の財源は公費が50%で、残りの50%は被保険者が納めた保険料です。
公費の内訳は、国(25%)、都道府県(12.5%)、市町村(12.5%)です。

厚生労働省の介護保険制度についてという資料にも、これらのポイントがわかりやすく載っています。
また、要介護認定に係る法令では、要介護認定に関した内容がまとめられています。
保育士試験の介護保険制度対策については、このリンク先の2つで十分に学習がカバーができると思います。

一つずつ見ていきます。

1 要介護認定・要支援認定は、都道府県が行う。 

→×
要介護認定・要支援認定を行うのは市町村・特別区です。
介護サービスの利用を希望する場合は、市区町村の窓口で「要介護(要支援)認定」の申請をします。
そして調査、判定などが行われて市区町村から認定結果が通知されます。


2 第2号被保険者とは、市町村の区域内に住所を有する 65 歳以上の者である。 


→×
これは第1号被保険者の説明ですね。
第2号被保険者とは40 歳以上65 歳未満の健保組合、全国健康保険協会、市町村国保などの医療保険加入者です。


3 要介護認定・要支援認定には、有効期間がある。 


→〇
「介護保険法」第28条第1項によると、厚生労働省令で定める期間内において有効としています。
具体的な期間については、
要介護認定に係る法令の一番下に説明されています。


4 介護認定審査会には、民生委員の参加が規定されている。 


→×
「介護保険法」第14条では
介護認定審査会が定められており、第15条では委員について定められています。
その中に民生委員の参加は定められていません。
「介護保険法」第15条第2項
委員は、要介護者等の保健、医療又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから、市町村長(特別区にあっては、区長。以下同じ。)が任命する。


5 保険者は国である。

→×
介護保険制度の保険者は市町村と特別区(東京23区)です。


ここまで問1~問10を見てきたところ、問6、問8、問10は過去の問題とほとんど同じものでした。
過去問の焼き直し問題は意外とありますから、過去問をしっかりと解いておくことで合格につながると言えます。

次回は問11を解説します。