令和4年前期「社会福祉」の解説を行います。
今回は問11です。

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問11 相談援助の展開過程
次のうち、相談援助の展開過程の説明として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A インテークとは、利用者が生活する上で何に困っているのか、求めているニーズや支援などについて明らかにすることである。
B プランニングとは、アセスメントに基づき、問題解決に向けての目標を設定し、実際の支援を誰が、いつまでに、どのように行うのかなどの具体的な支援内容を計画することである。
C モニタリングとは、プランニングを元に、実際に問題解決に向けて支援を行う段階である。
D エバリュエーションとは、支援計画やそれに基づく支援の最終的な評価を行う段階である。

(組み合わせ)
   A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

毎回1問は出題される「援助過程の展開過程」の問題です。
単に並び替えが出題されることもあれば、このように内容面が問われることがあります。

(ケースの発見・アウトリーチ)
  ↓
インテーク(受理面談 一番最初の面接)
インテークは受理面接ともいいます。
ここでクライアントがどのような問題を抱えているかを把握したり、ソーシャルワーカー側から機関の機能を説明したりします。
  ↓
アセスメント(事前評価)
アセスメントは事前評価ともいいます。
インテークに続いて行われ、クライエントの情報を収集し、本人の解決能力や活用できるサービス・社会資源を評価し、課題を明確にします。
クライエントの課題を明らかにしていくところであり、課題が明確になっていなければ正しいプランニング(計画)を立てることができません。
  ↓
プランニング(計画)
アセスメントで明確にした課題に対して、援助方法を具体的に決めて実施計画を立てます。
  ↓
インターベンション(介入 支援の実施)
インターベンションとは実際に支援を実施することです。
問題解決のために、具体的な社会資源を活用して支援を行います。 
  ↓
モニタリング(効果測定 支援が適切に実施されているか)
モニタリングは効果測定ともいいます。
モニタリングの目的は、当初の計画でいいかどうかを確認することです。
援助が適切に行われているかどうかをチェックすると同時に満足度も確認し、クライエントが望んでいるサービスを受けられているかどうかが分かります。
モニタリングはインターベンションが行われている間に実施されます。
  ↓
エバリュエーション(事後評価) 
支援を実施したことによって利用者の社会生活がより豊かに実現したかを評価することです。
  ↓
ターミネーション(終結)
支援を終結する最終段階です。

以上の内容とA~Dを照らし合わせると、Aは少し迷いますが、B〇、C×、D〇という組み合わせは4しかありませんので、答えは4としました。

一つずつ見ていきます。

A インテークとは、利用者が生活する上で何に困っているのか、求めているニーズや支援などについて明らかにすることである。

→×
インテークとアセスメントのどちらとも言えるような文章ですが、後半の「ニーズや支援などについて明らかにする」ということから、アセスメントと判断します。
過去の問題において、インテークは「聞き取る」「把握する」段階という説明で出題されています。

・インテークとは、受理面接といわれるもので、利用者のニーズや問題のアウトラインを聞き取る面接過程である。〇(平成29年前期・令和3年前期)
・「インテーク」では、クライエントのニーズを多面的に把握する。〇(令和元年後期)


B プランニングとは、アセスメントに基づき、問題解決に向けての目標を設定し、実際の支援を誰が、いつまでに、どのように行うのかなどの具体的な支援内容を計画することである。

→〇
分かりやすい文章でした。

プランニングはアセスメントに基づいて援助計画を立てることですね。

C モニタリングとは、プランニングを元に、実際に問題解決に向けて支援を行う段階である。

→×
モニタリングではなくインターベンションです。

モニタリングは援助が計画に沿って進んでいるか、適切に行われているかを確認することです。


D エバリュエーションとは、支援計画やそれに基づく支援の最終的な評価を行う段階である。

→〇
「最終的な」という言葉からターミネーションを連想しますが、「最終的な評価」ですからエバリュエーションですね。
エバリュエーションとは援助の終結をむかえるにあたって、クライエントとともに評価を行うことです。



次回は問12を確認します。