令和4年前期「社会福祉」の解説を行います。
今回は問13です。

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問13 相談援助の方法・技術
次のうち、相談援助の方法・技術等に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A アドボカシーとは、行政や議会などに個人や集団、地域住民の福祉ニーズに適合するような社会福祉制度やサービスの改善、整備、創設等を促す方法である。
B アウトリーチとは、地域の関係機関・施設や関係者等が相互に連携するネットワークづくりを行う方法である。
C ケアマネジメントとは、社会福祉サービスが効果的に機能するために、社会福祉施設や機関の合理的・効果的な管理運営方法やサービス提供方法の開発を行うことをいう。

(組み合わせ)
    A B C
1 ○ ○ ○
2 ○ ○ ×
3 ○ × ○
4 × × ○
5 × × ×

毎回1問程度出題される専門用語の問題ですね。
説明が不足していても適切な文章と捉える傾向にありますので、明らかに誤った内容が含まれていなければ〇と判断します。
例えば、Aのアドボカシーの説明文が、まったく別の言葉の説明であれば×ということです。
実際にこの問13で出された3つの専門用語の説明文はどれも他の用語についての説明でしたので、すべて×で答えは5です。

一つずつ見ていきます。


A アドボカシーとは、行政や議会などに個人や集団、地域住民の福祉ニーズに適合するような社会福祉制度やサービスの改善、整備、創設等を促す方法である。

→×
アドボカシシーとは利用者の権利を擁護・代弁することです。
Aはソーシャルアクションの説明です。
「福祉ニーズ」「サービスの改善」「促す」という言葉などがキーワードでした。
ソーシャルアクションとは社会福祉活動法ともいい、問題解決のために行政機関に対してサービスの新設や改善を直接求めるという方法です。
クライエントに適したサービスがない場合、社会資源を創出するなどの行動を起こしたり、社会にはたらきかける活動をしたりすることでクライエントの問題を解決していきます。

ソーシャルアクションは令和3年前期、令和3年神奈川県にも出てきたので、最近よく出る印象があります。
ソーシャルアクションとは、利用者の支援に必要となる公的・私的な社会資源の分野・業種等の横断的な協働関係を形成することである。(令和3年前期)→×

人びとの繋がりを通して情報が流れたり、資源が交換されたり、参加者同士がニーズを満たし合うような関係をソーシャルアクションという。(令和3年神奈川)→×

これらは何の用語説明かはっきりわかりませんが、ソーシャルアクションではありませんね。




B アウトリーチとは、地域の関係機関・施設や関係者等が相互に連携するネットワークづくりを行う方法である。


→×
アウトリーチとは、ソーシャルワーカーが所属する機関等から、積極的に利用者の住居や地域へ出向くことです。
地域社会に潜在している多くのニーズや、福祉サービスを必要としながら福祉サービスを利用できていない人を発見することを目的とします。
アウトリーチはよく出る用語ですね。

Bはネットワーキング(ネットワーク)の説明です。
「ネットワークづくり」という言葉がキーワードでした。
ネットワーキングとは、利用者から網の目のように人間関係がつながっている状況や、専門職や関係機関などの間の連携です。

最近の出題です。

ネットワーク(ネットワーキング)とは、サービスを必要とする人が、地域の社会資源を活用するために、有効な組織化を推進していく方法である。(令和元年後期)→〇


C ケアマネジメントとは、社会福祉サービスが効果的に機能するために、社会福祉施設や機関の合理的・効果的な管理運営方法やサービス提供方法の開発を行うことをいう。

→×
ケアマネジメントとは、生活の問題を抱える人に対して、効果的・継続的に必要なサービスを組み合わせて援助していくことです。
Cはソーシャルアドミニストレーション(社会福祉運営管理)の説明です。
「管理運営方法」という言葉がキーワードでした。
ソーシャルアドミニストレーションとは、社会福祉サービスが効果的に行われるよう、組織の見直しや社会福祉施設や機関などの効率的な管理運営方法を図ることをいいます。
こちらは出題されにくい用語で、過去問から見つけることはできませんでした。

次回は問14を確認します。