令和4年前期「社会福祉」の解説を行います。
今回は問19です。

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問19 根拠法
次のセンター名と、このことが定められている法律名の組み合わせとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
<センター名>                          <法律名>
A 児童発達支援センター ――――――― 「児童福祉法」
B 基幹相談支援センター ――――――― 「介護保険法」
C 障害者就業・生活支援センター ――― 「身体障害者福祉法」
D 精神保健福祉センター ――――――― 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」

(組み合わせ)
    A B C D
1 ○ × × ○
2 ○ × × ×
3 × ○ ○ ○
4 × ○ × ×
5 × × × ○ 

施設名とその根拠法の問題ですね。
「〇〇センター」は多くの種類があり、根拠法とセットで覚えたいです。
出題されたことがある・今後出題される可能性がある「〇〇センター」と根拠法の一覧です。

・児童発達支援センター(児童福祉法)
・地域包括支援センター (介護保険法)
・母子健康包括支援センター(母子保健法)※子育て世代包括支援センターと同じものです。
・市町村保健センター(地域保健法)
・母子・父子福祉センター(母子及び父子並びに寡婦福祉法)
・基幹相談支援センター(障害者総合支援法)
・地域活動支援センター(障害者総合支援法)
・配偶者暴力相談支援センター(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)
・身体障害者福祉センター(身体障害者福祉法)
・精神保健福祉センター(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)
・発達障害者支援センター(発達障害者支援法)
・市町村障害者虐待防止センター (障害者虐待防止法)
・障害者就業・生活支援センター (障害者雇用促進法)

問19については選択肢1と2で迷われたのではないでしょうか。
わからなかったものはこの機会に覚えたいですね。

一つずつ見ていきます。

A 児童発達支援センター ――――――― 「児童福祉法」

→〇
児童発達支援センターは
社会福祉以外の福祉系科目にも必ず登場しますから、A~Dの中では一番わかりやすいですね。
「児童福祉法」第7条により児童福祉施設の1つとして定められています。
「児童福祉法」第43条では、児童発達支援センターは障害児を日々保護者の下から通わせる施設として、福祉型(日常生活における基本的動作の指導、独立自活に必要な知識技能の付与又は集団生活への適応のための訓練)と医療型(日常生活における基本的動作の指導、独立自活に必要な知識技能の付与又は集団生活への適応のための訓練及び治療)の2種類があることを定めています。

B 基幹相談支援センター ――――――― 「介護保険法」

→×
Aが〇とするとBは×の選択肢しかありません。
基幹相談支援センターは「障害者総合支援法」に定められており、第77条の2において「地域における相談支援の中核的な役割を担う機関」であるとしています。
障害者から相談を受けて、必要な情報を提供したり、関係機関と連携したりする機関です。
基幹相談支援センターについては最近では平成31年前期にこのような問題が出題されています。 
次のセンター名と支援の内容の組み合わせのうち、誤ったものを一つ選びなさい。

1 医療型児童発達支援センター ――― 医療的ケアが必要な子どもへの支援 
2 地域包括支援センター ―――――― 介護等を要する高齢者への支援 
3 地域活動支援センター ―――――― 障害者に対する社会参加等の支援 
4 基幹相談支援センター ―――――― 生活困窮者に対する支援 
5 配偶者暴力相談支援センター ――― 暴力被害女性に対する支援

基幹相談支援センターについて詳しく知らなくても、「障害者総合支援法」が根拠法であることを知っていれば、4の説明が誤りとわかりますね。


C 障害者就業・生活支援センター ――― 「身体障害者福祉法」

→×
障害者就業・生活支援センターは、過去問では見つかりませんでしたが、ブログの模擬試験(令和3年後期対策の問2)に取り入れた機関です。
根拠法は「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」で、障害者の身近な地域において就業面と生活面の一体的な相談・支援を行います。
根拠法やセンターの支援の内容がよくわからなくても、センターの名称から身体障害者に限定した機関ではないと考えることができますから、「身体障害者福祉法」は×と判断できます。


D 精神保健福祉センター ――――――― 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」

→〇
精神保健福祉センターは「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」第6条に「精神保健の向上及び精神障害者の福祉の増進を図るための機関」と定められています。
都道府県に設置義務があります。
最近出題がありませんでしたが、平成23年、平成24年の試験で、根拠法や設置義務(都道府県)について出題されています。
こちらは、センターの名称から根拠法を結び付けることができるかもしれませんが、判断に迷ったところかなと思います。


次回は問20を確認します。