次の文は、「新しい社会的養育ビジョン」(平成29年8月2日 新たな社会的養育の在り方に関する検討会)における、子どもと家庭への在宅支援に関する記述である。通所で提供される支援として不適切なものを一つ選びなさい。
1 家事援助
2 カウンセリング
3 ペアレンディング
4 心理治療プログラム
5 治療的デイケア
1 家事援助
2 カウンセリング
3 ペアレンディング
4 心理治療プログラム
5 治療的デイケア
問1と同じく問10も新しい社会的養育ビジョンからの出題です。
問1は「新しい社会的養育ビジョンの実現に向けた工程」についての問題、問10は「在宅支援」についての問題です。
在宅支援とは、児童養護施設等への入所措置や里親委託という代替養育ではなく、在宅のままで支援していくことが適切と判断される虐待やネグレクトのリスクを抱えた家庭などに対してとられるものです。
この在宅支援も「社会的養護」 の一部と位置づけられています。
そして在宅支援の中心は市町村です。
市町村は基礎的な地方公共団体として、施設入所等の措置を採るに至らなかった児童への在宅支援を中心となって行い、身近な場所で児童や保護者を継続的に支援し、児童虐待の発生予防等を図っています。
「新しい社会的養育ビジョン」13ページでは、児童相談所への虐待相談のうち 95%以上が在宅支援となっているとしており、在宅支援の割合がとても高いことがわかりますね。
また、在宅支援は家庭に訪問して支援をするだけでなく、親子が専門機関に通所して支援を受けるものもあります。
具体的にどのような支援があるか、13~14ページで説明されています。
「在宅への支援の一つとして、家事援助を含めた訪問型の支援がある。一方、通所で提供される支援としては、一般的なカウンセリングやペアレンティングから高度な技術を必要とする心理治療プログラムや治療的デイケア等が考えられる。また、子どもへの直接的な支援としては、ひとり親対策や子どもの貧困対策にメニューはあるものの、すべての要保護児童・要支援児童が使えるよう施策を整理する必要がある。また、在宅で支援を受けている子どもも里親等で代替養育を受けている子どもも、同一の支援を継続的に利用できる必要がある。 現在、高度な心理治療プログラムや治療的デイケア等を提供できる財政的裏付けがあるのは児童心理治療施設などに限定されており、今後、保護者や子どもの利便性を考えると、 複数のプログラム提供機関が必要となり、そのためには通所先の機関がプログラムを提供 できる財政的裏付けが必要となる。」
このように、訪問型(家事援助)と、通所で提供される支援(カウンセリング、ペアレンティング、心理治療プログラム、治療的デイケア)があげられています。
問題の選択肢を確認すると、1の家事援助は通所ではなく訪問型ですので、1が誤り(答え)となります。
選択肢3のペアレンティングとは、親と子の関係性を育てるもので、親子の関係性を構築するコミュニケーションを学ぶものです。
また、ここにはあげられていませんが、子育て短期支援事業といった親へのレスパイト支援も在宅支援の1つとして考えられますね。
これで令和4年神奈川県「社会的養護」の解説は終わりです。
自分が受験生の時(平成25~27年頃)は「社会的養護」の学習は措置入所に関したものがほとんどでしたので、試験対策としては、児童福祉施設長の親権等、児童福祉施設における自立支援計画の策定、児童福祉施設の設備基準、被措置児童等虐待などを主に学習していました。
しかし現在は、施設への入所措置だけでなく、里親委託や養子縁組の推進、市町村による家庭・養育環境を支える在宅支援、また施設への入所措置であっても解除後の支援が強化されるなどしていて、どんどん変わってきていますね。
社会的養護の現状について、私はまだ部分的に知っているくらいだと思いますが、何が起きているか、どのような支援体制があるかということは少しずつわかってきました。(保育士試験がなければ知らないままだったかもしれません。保育士試験に感謝!)
社会的養護は「子どもの最善の利益のために」と「社会全体で子どもを育む」を理念として行われていますから、多くの方が社会的養護に関心を向けることで、策定されたビジョンが実現したり、まだ知られていない問題にも気づけたりするといいですよね。
いま私にできることはボランティアや寄付、またこのようなブログで情報発信をするなどに限られていますが、できることで子どもを応援できたらいいなと考えています。
コメント