令和4年後期「社会福祉」問20の解説です。




問20 「社会福祉法」第4条
次の文は、「社会福祉法」第4条(地域福祉の推進)の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

地域住民等は、地域福祉の推進に当たつては、福祉サービスを必要とする地域住民及びその世帯が抱える福祉、介護、介護予防(中略)、( A )、住まい、( B )に関する課題、福祉サービスを必要とする地域住民の地域社会からの( C )その他の福祉サービスを必要とする地域住民が日常生活を営み、あらゆる分野の活動に参加する機会が確保される上での各般の課題(中略)を把握し、( D )の解決に資する支援を行う関係機関(中略)との連携等によりその解決を図るよう特に留意するものとする。
(組み合わせ)
              A               B            C            D
1 生活困窮  就労及び教育  疎外  生活福祉課題
2 保健医療  余暇及び健康  疎遠  利用援助課題
3 社会活動  雇用及び学習  疎遠  地域生活課題
4 保健医療  就労及び教育  孤立  地域生活課題
5 社会活動  雇用及び学習  孤立  生活福祉課

この条文は「社会福祉法」第4条第3項です。
もともとは平成29年6月公布(平成30年4月施行)の法改正の際に第4条第2項として新設された条文です。
「地域住民等は、地域福祉の推進に当たつては、福祉サービスを必要とする地域住民及びその世帯が抱える福祉、介護、介護予防(要介護状態若しくは要支援状態となることの予防又は要介護状態若しくは要支援状態の軽減若しくは悪化の防止をいう。)、保健医療、住まい、就労及び教育に関する課題、福祉サービスを必要とする地域住民の地域社会からの孤立その他の福祉サービスを必要とする地域住民が日常生活を営み、あらゆる分野の活動に参加する機会が確保される上での各般の課題(以下「地域生活課題」という。)を把握し、地域生活課題の解決に資する支援を行う関係機関(以下「支援関係機関」という。)との連携等によりその解決を図るよう特に留意するものとする。」
(赤字が今回穴になっている言葉です。答えは4です。)

支援を必要とする住民(世帯)が抱える地域生活課題について、地域住民や福祉関係者が把握し、関係機関との連携により解決を図ることを目指すという内容です。
「地域生活課題」とその説明部分が赤字になっていますから、地域生活課題が多様で複合的なものであることをおさえておきたいですね。

さて、「社会福祉法」第4条では「地域福祉の推進」が定められています。
平成12年6月「社会福祉事業法」改正により、「社会福祉法」に地域福祉の推進(第4条)が位置づけられました。
もともとの第4条は「地域住民、社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者は、相互に協力し、福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられるように、地域福祉の推進に努めなければならない。」という条文でした。
この条文は現在「社会福祉法」第4条第2項になっています。
 
さらに、令和2年に「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律」が公布され、令和3年4月から改正「社会福祉法」が施行されています。
ここで第4条第1項が次のように新設されています。
「地域福祉の推進は、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現を目指して行われなければならない。」
キーワードは「地域住民」「共生する地域社会の実現」です。
地域福祉の推進は、地域住民が主体であることがはっきりと述べられています。

今後も「社会福祉法」第4条の出題が続くと考えられますので、第1項から第3項のどれが出ても答えらえるように準備しておきたいです。
「社会福祉法」第4条
第1項
「地域福祉の推進は、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現を目指して行われなければならない。」
第2項
「地域住民、社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者(以下「地域住民等」という。)は、相互に協力し、福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されるように、地域福祉の推進に努めなければならない。 」
第3項
「地域住民等は、地域福祉の推進に当たつては、福祉サービスを必要とする地域住民及びその世帯が抱える福祉、介護、介護予防(要介護状態若しくは要支援状態となることの予防又は要介護状態若しくは要支援状態の軽減若しくは悪化の防止をいう。)、保健医療、住まい、就労及び教育に関する課題、福祉サービスを必要とする地域住民の地域社会からの孤立その他の福祉サービスを必要とする地域住民が日常生活を営み、あらゆる分野の活動に参加する機会が確保される上での各般の課題(以下「地域生活課題」という。)を把握し、地域生活課題の解決に資する支援を行う関係機関(以下「支援関係機関」という。)との連携等によりその解決を図るよう特に留意するものとする。」

以上、令和4年後期試験について「教育原理」「社会的養護」「社会福祉」の解説を終えました。