令和4年後期「子ども家庭福祉」の解説です。
問19 事例
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
X保育所に通うZ君(5歳・男児)は、両親が1年前に離婚し、母親と2人で暮らしている。Z君は給食の時間、自分の分の給食を食べ終わると、まだ食べている最中の隣の子の分の給食に手を出して食べてしまうという行為をクラス担当のY保育士が見かけた。Y保育士はその場でZ君に隣の子の給食に手を出さないように注意をし、その日は治まったものの、後日同様の行為を繰り返した。給食終了後に2人きりでZ君に「なぜ隣の子の給食を食べようとするの?」とY保育士が聞いたところ、「お母さんが仕事で疲れていて、たまに夕ご飯を作ってもらえないことがある」と答えた。
【設問】
問 19 次のうち、Y保育士の対応に関する記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A Z君が隣の子の給食に手を出さないように保育室の隅で食べさせた。
B Z君の母親を保育所に呼び出し、夕食をちゃんと作るように強く指導した。
C Z君から聞いた家庭での様子を保育所長に報告した。
D 送り迎えの時に、Z君の母親から家庭での食事の様子について話を聞いた。
E Z君の母親の許可を得ずに、他の園児の保護者にZ君の状況を説明し、夕食を作ってあげるよう頼んだ。
(組み合わせ)
1 A C
2 B C
3 B E
4 C D
5 D E
【事例】
X保育所に通うZ君(5歳・男児)は、両親が1年前に離婚し、母親と2人で暮らしている。Z君は給食の時間、自分の分の給食を食べ終わると、まだ食べている最中の隣の子の分の給食に手を出して食べてしまうという行為をクラス担当のY保育士が見かけた。Y保育士はその場でZ君に隣の子の給食に手を出さないように注意をし、その日は治まったものの、後日同様の行為を繰り返した。給食終了後に2人きりでZ君に「なぜ隣の子の給食を食べようとするの?」とY保育士が聞いたところ、「お母さんが仕事で疲れていて、たまに夕ご飯を作ってもらえないことがある」と答えた。
【設問】
問 19 次のうち、Y保育士の対応に関する記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A Z君が隣の子の給食に手を出さないように保育室の隅で食べさせた。
B Z君の母親を保育所に呼び出し、夕食をちゃんと作るように強く指導した。
C Z君から聞いた家庭での様子を保育所長に報告した。
D 送り迎えの時に、Z君の母親から家庭での食事の様子について話を聞いた。
E Z君の母親の許可を得ずに、他の園児の保護者にZ君の状況を説明し、夕食を作ってあげるよう頼んだ。
(組み合わせ)
1 A C
2 B C
3 B E
4 C D
5 D E
福祉系科目の事例問題は、ある出来事にについて、保育士等のどのような対応が不適切になるかといった視点で出題されます。
不適切となる対応となる文章には問題点となる分かりやすい言葉が含まれています。
たとえば「注意する」「指導する」「問い詰める」「責める」「否定する」「自分の判断で勝手に行動する」などです。
逆に「状況を把握する」「受容的な対応」「相手の意向を尊重する」「園長などに相談する」「職員間で情報共有」「職員全体で対応策を考える」などは適切な対応といえます。
ですから、今回の事例問題については、A・B・Eが不適切な対応といえます。
A Z君が隣の子の給食に手を出さないように保育室の隅で食べさせた。
B Z君の母親を保育所に呼び出し、夕食をちゃんと作るように強く指導した。
E Z君の母親の許可を得ずに、他の園児の保護者にZ君の状況を説明し、夕食を作ってあげるよう頼んだ。
Aは根本的な解決になっておらず、Bは「指導」、Eは自分の勝手な判断で行動していますから×です。
CとDは適切な対応といえます。
C Z君から聞いた家庭での様子を保育所長に報告した。
D 送り迎えの時に、Z君の母親から家庭での食事の様子について話を聞いた。
問20に続きます。
問20 事例
次のうち、Y保育士がZ君の母親に利用を勧める社会資源として最も適切なものを一つ選びなさい。
1 地域の子ども食堂の利用
2 放課後児童クラブの利用
3 乳児院への入所
4 児童発達支援センターへの通所
5 養育里親への委託
1 地域の子ども食堂の利用
2 放課後児童クラブの利用
3 乳児院への入所
4 児童発達支援センターへの通所
5 養育里親への委託
答えは1 地域の子ども食堂の利用です。
この事例の問題点は、Z君の発言である「お母さんが仕事で疲れていて、たまに夕ご飯を作ってもらえないことがある」という状況により、Z君が他の子どもの給食に手を出してしまうことです。
Z君の母親から状況を聞き出し、改善策として、夕食提供を行う「地域の子ども食堂の利用」をすすめることは適切といえます。
子ども食堂とは、無料または低価格で地域の子どもに食事を提供するものです。
2 放課後児童クラブの利用
Z君は保育所に通う5歳児ですので、小学生の放課後の居場所となる放課後児童クラブの利用は対象外です。
事例の内容とも合っていません。
3 乳児院への入所
5 養育里親への委託
この事例の文章だけでZ君が要保護児童とは判断できませんので、母子分離するような乳児院や里親は不適切です。
それらの利用を母親にすすめることは、ありえません。
4 児童発達支援センターへの通所
児童発達支援センターは障害のある未就学児が通う施設であり、事例の内容とは合っていません。
これで令和4年後期「子ども家庭福祉」解説は終わりです。
これから試験までは「子ども家庭福祉」のミニテストを増やしていきたいと考えています。
最後まで一緒に頑張りましょう!
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