令和5年神奈川県試験「教育原理」を解説しています。
今回は問6です。
試験問題
 



問6 出来事並び替え
次のA~Dは、日本における教育に関連する出来事である。年代を古い順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 「学制」公布
B 「日本国憲法」公布
C 「幼稚園令」公布
D 「教育基本法」公布

(組み合わせ)
1 A→B→C→D
2 A→C→B→D
3 B→D→A→C
4 C→A→B→D
5 D→A→C→B

C「幼稚園令」以外はわかりやすく、A→B→Dの順になりますが、まだ選択肢が1、2、4と残って絞り切れません。
これまでの並び替え問題で「幼稚園令」を見かけませんでしたので、今回の問題はここが難しいところかなと思います。

さて「社会福祉」や「子ども家庭福祉」では法律や制度の制定(公布)年の並び替え問題、「社会的養護」では「児童福祉法」改正内容に関した並び替え問題がよく出題されています。
そして「教育原理」ではこのような教育に関した法律や制度、教育史が並び替え問題として出題されています。
年号までは求められませんので、つながりや大まかな時代を意識して覚えていきたいですね。
明治・大正・昭和という時代ごとに分けて学んでいくとよいと思います。

まずは明治期です。
試験対策として覚えておきたい明治期の教育史は、文部省の創設学制教育令内閣制度の創設初代文部大臣の就任)です。
「文部省」ができて「学制」が制定されました。
また、文部省は内閣制度の前に行われていた太政官制(太政官を最高機関として行う制度)において設置されているものですから、文部省の創設のあとに内閣制度の創設という順番になります。これはよく出ますね。

■文部省の創設 1871(明治4年)※2001年に科学技術庁と統合して文部科学省となります。
■学制      1872(明治5)年 文部省から出された教育の法令です。全国を8大学区、各大学区を 32 中学区、各中学区を 210 小学区に分け、1小学区に1つの小学校を設置することを原則としました。全ての国民を就学させることが目的でしたが、時代にそぐわず、1879(明治12)年に廃止となりました。 
■教育令    1879(明治12)年 学制を廃止して公布された教育の法令です。
■内閣制度の創設1885(明治18)年 内閣総理大臣および文部省などの諸大臣を置きました。初代文部大臣として森有礼(もり ありのり)が就任しました。
また
出題がほとんどありませんが、1886年(明治19)森有礼により「小学校令」が公布されました。

次に大正期です。
大正は1912年から1926年という短い時代です。
海外の思想も含めて様々な保育が実践され、幼稚園が発展した時代でした。
・日本初の官立(=国立)幼稚園である東京女子師範学校付属幼稚園が創設される。
・倉橋惣三が東京女子師範学校教授となり、附属幼稚園主事として活躍する。
・野口幽香が二葉幼稚園を創設する。
・河野清丸らによってモンテッソーリの教育法や教具が紹介される。
・橋詰良一が「家なき幼稚園」と称する園舎を持たない形態で野外保育を始める。
・小林宗作がリトミック運動を始める。

このような新しい時代の自由主義的な機運の中で、幼稚園について1926(大正15)年に定めたものが「幼稚園令」です。
そして1947年(昭和22年)「学校教育法」制定により廃止されました。
ですから「幼稚園令」が並び替え問題に出されたら、「日本国憲法」「学校教育法」などの戦後の法律より前に来ることを覚えておきたいですね。

最後に昭和期です。
福祉系科目では多くの法律を覚えますが、「教育原理」で覚えておきたいものは、1941年の「国民学校令」と1947年の「教育基本法」「学校教育法」です。
それまでの「小学校令」を全面改正した「国民学校令」が公布され、小学校の名称が「国民学校」と改められました。
そして「小学校令」は1947年「学校教育法」制定により廃止となります。
また「教育基本法」は2006年に全面改正されていますので、旧法・現行法として区別されることもあります。

教育史については、大まかな時代をつかむこと、そしてつながりを意識しながら覚えていかれるとよいですね。

次回は問8(問7は問題非公開のため)の解説です。