令和5年神奈川県試験「教育原理」を解説しています。
今回は問10です。
試験問題
 



問10 性同一性障害に係る児童生徒に対する学校の対応
次のうち、「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について(通知)」(平成27年4月30日 文部科学省)の別紙において性同一性障害に係る児童生徒に対する学校における支援の事例として挙げられているものとして誤ったものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 自認する性別の制服・衣服や、体操着の着用を認める。
B 自認する性別に係る運動部の活動への参加を認める。
C 性の多様性について授業のテーマとして取り上げる。
D 当該児童生徒のセクシャリティーについて教師が率先して他の生徒に周知し、理解を促す。
E 標準より長い髪型を一定の範囲で認める(戸籍上男性)。

(組み合わせ)
1 A B
2 B D
3 C D
4 C E
5 D E

問題文の「誤ったものの組み合せ」という部分もよく読む必要があります。
性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について(文部科学省)は令和2年神奈川県試験でも出題があり、教員採用試験ではよく出されているものです。

今回出題された〈別紙〉は資料の一番最後にある表のことです。
性同一性障害に係る児童生徒に対する学校における支援の事例

項目

学校における支援の事例

服装

  • 自認する性別の制服・衣服や、体操着の着用を認める。

髪型

  • 標準より長い髪型を一定の範囲で認める(戸籍上男性)。

更衣室

  • 保健室・多目的トイレ等の利用を認める。

トイレ

  • 職員トイレ・多目的トイレの利用を認める。

呼称の工夫

  • 校内文書(通知表を含む。)を児童生徒が希望する呼称で記す。
  • 自認する性別として名簿上扱う。

授業

  • 体育又は保健体育において別メニューを設定する。

水泳

  • 上半身が隠れる水着の着用を認める(戸籍上男性)。
  • 補習として別日に実施、又はレポート提出で代替する。

運動部の活動

  • 自認する性別に係る活動への参加を認める。

修学旅行等

  • 1人部屋の使用を認める。入浴時間をずらす。
性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について(文部科学省)

A、B、Eは該当のものがありますが、CとDはありませんね。
Dの「当該児童生徒のセクシャリティーについて~他の生徒に周知し、理解を促す。」は常識的におかしいとわかります。
ある児童生徒のセクシャリティーを取り上げて周知させることは不適切な対応といえます。

そしてCの「性の多様性について授業のテーマとして取り上げる。」についてです。
性の多様性に関して、私が子どもの頃と比べると社会が大きく変化していると感じます。
ですがまだまだ十分な理解がありませんから、自分らしく生きることが困難な状況におかれている方も多くいますよね。
学校で性の多様性に関した授業を行うことで、性の多様性が認められる学校や社会へと変わっていけると思います。
検索してみると、性の多様性をテーマとして授業を行っている学校も多くありました。
ですから、Cも適切な記述と思うのですが、この表にないという理由で×なのでしょうか。
問題文に性同一性障害に係る児童生徒に対する学校における支援の事例
とありますから、授業で取り上げることが該当の児童生徒にとって配慮になっていないということでしょうか?
A、B、Eなどの該当の児童生徒に対する個別対応だけではなく、性的に多数者とされる児童生徒に対しても性の多様性について考えさせたり学びの場を提供したりする取り組みが必要です。

保育士試験の問題として、Cを誤りの記述として含めた理由がよくわかりませんでした。
皆様、ご意見やお考えがありましたらぜひコメントください。
よろしくお願いします。

次回は社会的養護の解説です。