令和5年神奈川県試験「社会的養護」を解説しています。
今回は問5です。
試験問題
 



問5 一時保護
次の文は、「一時保護ガイドラインについて」(令和4年12月 厚生労働省)に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

A 一時保護は、子どもの安全確保やアセスメントが必要な場合に行う。
B 一時保護を行う際に、子どもや保護者の同意を必ず得る必要がある。
Ⅽ  一時保護の期間の上限は、原則4週間と定められている。
Ⅾ  里親、児童福祉施設、医療機関等に委託一時保護をすることができる。

(組み合わせ)
1 A B
2 A C
3 A D
4 B C
5 B D  

一時保護ガイドラインからの出題です。
「一時保護ガイドライン」とは、
一時保護を適切に行うことを目的として平成30年に作成されたものです。
その後何度か改正されており、今回は令和4年改正版からの出題でした。

50ページ以上あるボリュームのある資料ですから、すべてを読むことは困難です。
今回出題された、A~Dはとても重要なもので、このうちBCDは
令和4年後期「社会的養護」(問5)でも出題されています。
令和4年後期の問題をしっかり解いていることで悩まずに答えを出すことができました。

一つずつみていきます。

A 一時保護は、子どもの安全確保やアセスメントが必要な場合に行う。

→〇
一時保護が子どもの安全確保に行われることはわかりますね。
もう一方のアセスメントとは援助方針を定めるために行う環境把握や診断等のことです。
一時保護所においては、援助指針(援助方針)を定めるために、子どもとの面談、一時保護した子どもの全生活場面についての行動観察、治療的ケアなどを行い、援助指針(援助方針)へ反映していきます。
一時保護は、児童相談所が行う相談援助活動の中で一時保護による子どもの安全確保やアセスメントが必要な場合に行うものであり、その期間中に、生活場面で子どもと関わり寄り添うとともに、児童相談所において関係機関と連携しながら子どもや家族に対する支援内容を検討し方針を定める期間となる。 」(3ページ)

平成 28 年改正「児童福祉法」において、一時保護の目的規定が新設されました。(第 33 条)
そこで、一時保護には子どもの緊急保護(安全確保)とアセスメント(心身の状況とその置かれた環境等の把握)という 2 つの機能があることが初めて明記されました。
第 33 条第 1 項「児童相談所長は、必要があると認めるときは、第二十六条第一項の措 置を採るに至るまで、児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は児童の 心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため、児童の一時保護を 行い、又は適当な者に委託して、当該一時保護を行わせることができる。」の規定もおさえておきます。


B 一時保護を行う際に、子どもや保護者の同意を必ず得る必要がある。

→×
子どもが虐待を受けていて一時保護が必要となった場合を想像すると、子どもや保護者の同意を必ず得る必要はないとわかりますね。
「子どもの安全確保のため必要と認められる場合には、子どもや保護者の同意を得なくても一時保護を行う。なお、子どもが保護を求めているにも関わらず、保護者が保護を拒否するなど、保護者の同意が得られない場合も同様である。これは、子どもの安全を迅速に確保し適切な保護を図る必要があることや、一時保護が終局的な支援を行うまでの短期間のものであること等から認められているものである。 特に児童虐待対応においては、対応が後手に回ることで、子どもの生命 に危険が及ぶ可能性があることから、子どもや保護者の同意がなくとも、 子どもの安全確保が必要な場面であれば、一時保護を躊躇なく行うべきである。 」(4ページ)


Ⅽ  一時保護の期間の上限は、原則4週間と定められている。

→× 原則4週間ではなく原則2ヶ月ですね。
これは「児童福祉法」第33条第3項「前二項の規定による一時保護の期間は、当該一時保護を開始した日から二月を超えてはならない。」の規定もおさえておきます。
一時保護の期間は原則2か月を超えてはならないとされているが、 児童相談所長又は都道府県知事等は、必要があると認めるときは、引き続き一時保護を行うことができることとされており(法第 33 条第3項 及び第4項)、子どもの最善の利益を確保する観点からその要否を検討する必要がある。」(13ページ)


Ⅾ  里親、児童福祉施設、医療機関等に委託一時保護をすることができる。

→〇
一時保護は一時保護所以外でも行われており、一時保護所以外で行う一時保護を「委託一時保護」といいます。
子どもの年齢や状況、専門的なケアが必要な場合などにおいては一時保護所ではなく該当機関や適当な者に委託一時保護されることが認められています。
場合によっては子どもの保育所の保育士や学校の教員も該当します。
「乳幼児の一時保護については、子どもの状態に応じて、可能な場合は里親 の委託を検討するが、緊急保護のため委託先の里親が即座に見つからな い場合、または、虐待の影響や心身の疾患や障害があり、よりきめ細かな専 門的なアセスメントが必要な場合は、施設への委託を検討する。 学齢以上の子どもの場合は、子どもの行動上の問題や虐待の影響等への 専門的なケアの必要性の程度に応じて、一時保護所、里親、施設を選択することが必要である。 このほか、次に掲げる理由で委託一時保護を行うことが適当と判断される場合には、その子どもを警察署、医療機関、児童福祉施設、里親その他適当な者(児童委員、その子どもが通っている保育所の保育士、学校(幼稚園、 小学校等)の教員など)に一時保護を委託することができる。この場合においては、受理会議等で慎重に検討し決定する。」(31ページ)


次回は問6を確認します。