令和5年前期試験を解説していきます。
今回は「教育原理」問6です。
試験問題




問6 中央教育審議会答申
次のうち、中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」(平成 28 年 12 月)の教育課程に関する記述として、 適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 教育課程とは、学校教育の目的や目標を達成するために、教育の内容を子供の心身の発達に応じ、授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画のことである。
B 教育課程の編成主体は学級担任である。
C 各学校には、学習指導要領等を受け止めつつ、子供たちの姿や地域の実情等を踏まえて、各学校が設定する学校教育目標を実現するために、学習指導要領等に基づき教育課程を編成する。
各学校には、学習指導要領等を受け止めつつ、子 供たちの姿や地域の実情等を踏まえて、各学校が設
D 教育課程を実施・評価し改善していくことが求められる。これが、いわゆる「カリキュラム・マネジメント」である。

(組み合わせ)
  ABCD
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ○
3 × ○ ×   ×
4 ×   × ○ ○
5 ×   × ○ ×

中央教育審議会答申は1、2問程度出題があります。
今回は問6と問9の2問出題されていますね。

「中央教育審議会答申」とは、文部科学省に設置されている「中央教育審議会」にて文部科学大臣の諮問に応じて意見を述べることです。
教育制度などについて文部科学大臣が委員に意見を求めて、委員が調査審議して意見を述べるということになります。
これまで行われた中央教育審議会の諮問や答申はこちらから見ることができます。
膨大な数になりますが、保育士試験で出題されている、出題の可能性があるものはこのあたりです。

▪️第3期教育振興基本計画について(平成30年3月)
▪️第2次学校安全の推進に関する計画の策定について(平成29年2月)
▪️幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(平成28年12月)
▪️ チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(平成27年12月)
▪️新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について(平成27年12月)
▪️これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について ~学び合い、高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて~ (平成27年12月)
▪️子供の発達や学習者の意欲・能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの構築について(平成26年12月)
▪️道徳に係る教育課程の改善等について (平成26年10月)
▪️今後の青少年の体験活動の推進について(平成25年1月)

神奈川県試験を含めて、保育士試験で最も出題されたのが今回の問6の「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」です。
この答申の過去の出題はこちらにまとめています。
246ページもある資料で、概要版だけでも29ページあります。
どこが出るかわからず対策は難しいのですが、過去にどこが出題されているかということと、概要版だけでも目を通しておきたいですね。

さて、今回の問題は答申23ページにすべて載っており、B 教育課程の編成主体は学級担任である。のみが不適切な記述でした。
正しくは「教育課程の編制主体は各学校である。」ですね。
教育課程の編成は学級担任でないことはわかりやすいです。
またCの記述では各学校が教育課程を編成することが書かれているように読み取れることもヒントになりますね。

Dの「カリキュラム・マネジメント」については「幼稚園教育要領」にも含まれている言葉で、令和4年後期に出題されています。
幼稚園教育要領」6ページ「教育課程に基づき組織的かつ計画的に各幼稚園の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」とい う。)に努めるものとする。」
幼稚園教育要領におけるカリキュラム・マネジメントとは、各幼稚園の教育課程に基づき、全教職員の協力体制のもと、組織的 ・計画的に教育活動の質の向上を図ることです。
重要な語句なので意味をしっかりとおさえておきます。

次回は問7を確認します。