ご質問をいただいた「保育実習理論」問17についての考察です。
正答が発表されていませんので、個人の考察ということで参考にされてください。問17 保育所の小学校との連携
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】 保育所で5歳児クラスを担当するQ保育士は、近隣の小学校との連絡会に参加し、小学校との連携の取り組みについてまとめた。
【設問】 次のうち、小学校との連携に関する取り組みとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場 合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 保育所児童保育要録は子どもの生年月日などの個人情報が含まれているため、「個人情報の保護に関する法律」に照らして適切に運用するものであり、配偶者からの暴力の被害者と子どもというように特別の事情がある場合だけでなく、子どもの育ちを支えるための資料を小学校へ送付する場合においては必ず保護者から同意を得て、小学校に送付するという共通理解をはかった。
B 「保育所保育指針」に新しく取り入れられた「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、幼児教育の考え方であり、小学校の教員からは共通理解されにくいので、あえて触れないようにした。
C 保小連携の一環として、交流の機会を増やせるように、小学校と保育所の年間行事の内容を情報 交換し、担当者間で話し合いを行うようにした。
(組み合わせ)
A B C
1 ○ ○ ×
2 ○ × ○
3 × ○ ×
4 × × ○
5 × × ×
【事例】 保育所で5歳児クラスを担当するQ保育士は、近隣の小学校との連絡会に参加し、小学校との連携の取り組みについてまとめた。
【設問】 次のうち、小学校との連携に関する取り組みとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場 合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 保育所児童保育要録は子どもの生年月日などの個人情報が含まれているため、「個人情報の保護に関する法律」に照らして適切に運用するものであり、配偶者からの暴力の被害者と子どもというように特別の事情がある場合だけでなく、子どもの育ちを支えるための資料を小学校へ送付する場合においては必ず保護者から同意を得て、小学校に送付するという共通理解をはかった。
B 「保育所保育指針」に新しく取り入れられた「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、幼児教育の考え方であり、小学校の教員からは共通理解されにくいので、あえて触れないようにした。
C 保小連携の一環として、交流の機会を増やせるように、小学校と保育所の年間行事の内容を情報 交換し、担当者間で話し合いを行うようにした。
(組み合わせ)
A B C
1 ○ ○ ×
2 ○ × ○
3 × ○ ×
4 × × ○
5 × × ×
Aの記述については厚生労働省の通知保育所保育指針の適用に際しての留意事項についてに関するものです。
この通知は平成30年に施行された「保育所保育指針」に関した留意事項をまとめたものです。
令和3年前期「保育実習理論」問18も「保育所児童保育要録」に関する問題で、こちらの通知と関わっていましたので、今後の出題に向けてこの通知は読んでおきたいですね。
一つずつみていきます。
A 保育所児童保育要録は子どもの生年月日などの個人情報が含まれているため、「個人情報の保護に関する法律」に照らして適切に運用するものであり、配偶者からの暴力の被害者と子どもというように特別の事情がある場合だけでなく、子どもの育ちを支えるための資料を小学校へ送付する場合においては必ず保護者から同意を得て、小学校に送付するという共通理解をはかった。
→×
解答テクニックとして、文章に「必ず」という言葉がある場合は不適切を疑います。
なぜなら正しい記述であれば「必ず」は不要だからです。
お子さんがいらっしゃる方は自分の子どもが小学校に上がる際に同意を求められたかなと考えるのもよいですね。
保育所保育指針の適用に際しての留意事項についての以下の文章を根拠とします。
保育所児童保育要録は、児童の氏名、生年月日等の個人情報を含むものであ
るため、個人情報の保護に関する法律(平成 15 年法律第 57 号)等を踏まえて適切に個人情報を取り扱うこと。なお、個人情報の保護に関する法令上の取扱い
は以下の①及び②のとおりである。
① 公立の保育所については、各市区町村が定める個人情報保護条例に準じた取扱いとすること。
② 私立の保育所については、個人情報の保護に関する法律第2条第5項に規 定する個人情報取扱事業者に該当し、原則として個人情報を第三者に提供する際には本人の同意が必要となるが、保育所保育指針第2章の4(2)ウに基づいて保育所児童保育要録を送付する場合においては、同法第 23 条第1項 第1号に掲げる法令に基づく場合に該当するため、第三者提供について本人 (保護者)の同意は不要であること。
① 公立の保育所については、各市区町村が定める個人情報保護条例に準じた取扱いとすること。
② 私立の保育所については、個人情報の保護に関する法律第2条第5項に規 定する個人情報取扱事業者に該当し、原則として個人情報を第三者に提供する際には本人の同意が必要となるが、保育所保育指針第2章の4(2)ウに基づいて保育所児童保育要録を送付する場合においては、同法第 23 条第1項 第1号に掲げる法令に基づく場合に該当するため、第三者提供について本人 (保護者)の同意は不要であること。
原則として同意が必要ですが、「保育所保育指針」第2章の4(2)ウの場合は保護者の同意は不要と記載されています。
「保育所保育指針」第2章の4(2)ウとは、「子どもに関する情報共有に関して、保育所に入所している子どもの就学に際し、市町村の支援の下に、子どもの育ちを支えるための資料が保育所から小学校へ送付されるようにすること。」という記述です。
ですから、子どもの就学に際して小学校へ送る際には保護者の同意は不要ということです。
よってAは誤りといえます。
B 「保育所保育指針」に新しく取り入れられた「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、幼児教育の考え方であり、小学校の教員からは共通理解されにくいので、あえて触れないようにした。
→×
小学校との共有が必要です。
保育所保育指針の適用に際しての留意事項について2ページ目によると、「その内容が小学校(義務教育学校の前期課程及び特別支援学校の小学部を含む。以下同じ。)に適切に引き継がれ、保育所保育において育まれた資質・能力を踏まえて小学校教育が円滑に行われるよう、保育所と小学校との間で「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を共有するなど、小学校との連携を図ることが重要である。 」としています。
C 保小連携の一環として、交流の機会を増やせるように、小学校と保育所の年間行事の内容を情報交換し、担当者間で話し合いを行うようにした。
→〇
「保育所保育指針解説」229ページに、小学校と保育所の交流について記載されています。
「円滑な接続のためには、保育所と小学校の子ども同士の交流の機会を設け、連携を図ることが大切である。特に卒園を迎える年度の 子どもが小学校就学に向けて自信や期待を高めて、極端な不安を感じな いよう、就学前の子どもが小学校の活動に参加するなどの交流活動も意 義のある活動である。」
交流の機会を設けるという目的で、年間行事の内容を情報交換するということがわかりますね。
コロナウイルスの影響でこの数年はこのような交流がなくなっていますが、また少しずつ始まるといいですよね。
これより私は答えは4と考えます。
皆様の見解はいかがでしょうか?
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